不倫慰謝料の金額として３００万円は高額であるか

　不倫慰謝料請求に関する事件のなかでも、不倫慰謝料が３００万円になるのは、かなり高額なケースであると考えられます。

　不倫慰謝料の相場は、一般的には数十万円～３００万円程度とされています。

　不倫慰謝料が３００万円を超える事案は、かなり少数であると言われています。

　先述のとおり、不倫慰謝料の金額相場には、大きな幅が存在します。

　不倫慰謝料を増減させる要因がいくつもあることが、その理由です。

　以下、不倫慰謝料を増額させる方向に働く要因について、詳しく説明します。

　一般的な傾向として、不倫に及んでいた期間が長いと、不倫慰謝料の金額が高くなります。

　不倫慰謝料は、法的に表現をすると、不法行為に基づく損害賠償金です。不貞行為（不倫をした配偶者と不倫相手との間における性的関係）によって、平穏な夫婦生活を送る権利が侵害された場合に発生する損害賠償金です。

　不倫期間が長いと、権利を侵害する行為である不貞行為の回数も多くなると考えられることから、不倫慰謝料が高くなります。

　不倫慰謝料は、不倫をされた側の、平穏な夫婦生活を送る権利が侵害された度合いが大きいほど高くなります。

　不倫が原因となって離婚や別居にまで至ってしまったということは、平穏な夫婦生活が完全に失われたと言えますので、権利侵害の程度が大きくなり、不倫慰謝料も高くなると考えられます。

　不貞行為による権利侵害の対象となる平穏な夫婦生活は、長年の積み重ねによって醸成されていくものとされています。

　このことから、婚姻期間が長いほど、不貞行為によって侵害される平穏な夫婦生活を送る権利は大きくなるといえるため、不倫慰謝料が高くなり得ます。

　扶養や監護が必要な低年齢の子がいるにもかかわらず、不貞行為に及ぶことは、家族の生活を大きく侵害するものであると考えられます。

　そのため、不倫慰謝料が高くなる可能性があります。